
進化を遂げた我が家のコンブチャ。
突然ですが、あなたは菌活していますか?便秘やストレスなどで腸の調子が悪くなると、腸にたまった有害物質や毒素が血管を通して体内に流れ、肌荒れなどさまざまな不調が出てきてしまいます。
そこで日頃から「菌」食材を積極的に取り入れて、身体の中からキレイと健康を叶える活動のことを “菌活” といいます。我が家では、ヨーグルトや納豆・キノコなど身近な菌食材を意識的に取り入れて腸が元気になるように心がけています。
料理好きの方の中にはぬか床を育てていたり、味噌やヨーグルトを自宅で増やしたりと、本格的に発酵食品を自宅で作っている人も多いですよね。
私も興味はあるものの温度管理やこまめな世話を続ける自信がないので…、我が家の菌活は “ほったらかしでもすくすく育つコンブチャ” です。

我が家では常に3ℓ近くのコンブチャを作っていますが、コンブチャの菌が元気過ぎてどんどん増えてきています。お友達に株分けしてもまだまだ余ってしまうのです。
何かに活用できないかと調べたところ、コンブチャからパン種を作れるという情報を入手しました!!そこで、今回は天然パン酵母についてと、コンブチャからパン種を作る様子を紹介します。
目次
パンに使える天然酵母って種類があるの!?

パン好きの人の間では、天然酵母はとても身近なものでしょう。天然酵母にこだわったパン屋さんがあったり、自宅でレーズンやリンゴ等から酵母を育てている人も少なくありません。
自分で育てるパン酵母は成長過程を見るのも楽しいですし、ドライイーストがなくても美味しいパンが焼けるのでとても魅力的です。
そもそも、パンを焼く時に重要な役割を果たす「酵母」とはどんなものなのでしょうか?
パン酵母とは、パン作りに適した酵母のことを指します。
パン酵母には、パン作りに適した酵母を純粋培養した「イースト」や野生の酵母を培養した「天然酵母」があります。
パン酵母には糖分や水と結びつき、生地を発酵させるはたらきがあります。
(1)ブドウ糖や水、湿度と湿気などの条件が揃うとパン酵母菌は増殖をし、パン生地は発酵を始める。
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(2)発酵中はグルテンの膜の中に炭酸ガスの気泡ができ、生地の温度が上がるにつれて生地は膨張する。
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(3)膨張するとパン生地は内側から膨らんでいき、弾力のある生地に。
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(4)酵母が生きている間は発酵が続くため、オーブンに入れた後もしばらくは膨らみ続ける。
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(5)パン酵母のおかげでパンにボリュームがでてふっくらと美味しい食感に。

パン酵母は大きく下の2種類に分類され、それぞれに特徴があります。
イースト
パンを作るのに適した酵母だけを凝縮した酵母で、発酵力が安定して早いので、誰でも扱いやすく手軽ににパンが焼けます。
天然酵母
天然酵母は、自然に生息している色々な酵母菌の総称で、何由来の酵母かによって風味が変わります。
主に果実や穀物から酵母を作り出すことができ、ドライタイプ(市販タイプ)と自家製タイプがあります。
風味豊かな反面、酵母を育てるのに時間がかかり、またパン生地を発酵させる時間も長いです。

パン作り初心者の方はまず扱いやすいイーストを使ってみましょう♪初めてのパン作りでも上手に美味しくできるはずです!
ドライイーストはスーパーマーケットでも簡単に手に入れることができますし、最近では天然酵母(ドライタイプ)もオーガニック系食品店やインターネットでも手に入れることができますね。
最近は自宅で天然酵母を培養している方も多いですが、簡単に手に入る食材からパン酵母を作ることができるのです!こちらアメリカでは外出禁止令が発令されて1ヶ月以上経った今、ドライイーストは手に入りにくい状況が続いています。
こんな時こそ天然酵母が活躍します。代表的な自家製天然酵母はこちらです。
・レーズン酵母
・リンゴ酵母
・ヨーグルト酵母
・苺、バナナ、梨、柿、オレンジなどの果物酵母
基本的には糖度の高い果物から酵母を作ることができますが、糖度が十分でなく酵母の発酵が弱い場合は砂糖やハツミツを加えます。

パン酵母の育て方はこちらのサイトが分かりやすく解説されています。
cotta – 自家製酵母の作り方
育てるのに時間がかかる自家製パン酵母ですが、酵母の種類によってパンの風味が変わるのは面白いですよね♪酵母からじっくり時間をかけて作るパン作りも、なかなか楽しいものです。
ゆっくりとハンドメイドを楽しみたい気分の時にぜひチャレンジしてみてください♪

天然酵母を手軽に使いたい方にはやはり市販のものがオススメです!色々なブランド酵母が販売されていますが、それらの特徴がうまくまとまった資料を見つけました。酵母の種類と特徴、適したパンなどが見やすい一覧になっています。
cuoca – 天然酵母7種を徹底比較!
コンブチャから酵母を抽出して増やす!パン種の作り方♪

調べれば調べるほど奥の深い自家製パン酵母ですが、今回ははかなり変化球な「コンブチャ酵母」に挑戦しました。実はコンブチャ菌には乳酸菌や酢酸菌の他にイースト菌が含まれているので、うまく育てられればパンに適した酵母が出来上がるのです♪
では、具体的にパン酵母の作り方を紹介します。
⑴ コンブチャから酵母菌を取り出す。

コンブチャを作っていると、上の写真のように茶色の糸状のものが菌株(スコビー)から出てきます。これが酵母を作る時の菌株になります。また、瓶底に溜まったカスにも菌が豊富に含まれているので、そちらも使います。

茶色の糸状のものと瓶底のコンブチャを合わせて1カップ取り出します。

コンブチャ(液体)のみでも酵母は作れますが、菌が元気になるまでに時間がかかってしまいます。
⑵ ⑴の瓶に小麦粉を加えてよく混ぜる。

菌の栄養となる小麦粉(薄力粉)を1カップ加えてよく混ぜます。よく混ざったら、上にガーゼなどで蓋をして菌が呼吸できるようにして、菌が元気に増えるのを待ちます。


1日1回全体に空気を送り込むためによくかき混ぜましょう‼︎
⑶ 室内に置いておくと2〜3日で菌が元気に増え始める。

写真のようにぶくぶくと膨らんできたらうまく菌が増えている証拠です。ただ、まだこの時点では菌が弱すぎてパン作りには使えません。写真のような状態になったら菌に “餌” をあげましょう。
1カップの小麦粉(薄力粉)を加えてよく混ぜます。
ちなみに、我が家の場合の酵母成長具合はこんな感じです♪

〈1日目〉
コンブチャと小麦粉を混ぜる。
この時点ではコンブチャの匂いが強い。
〈2日目〉
ぶくぶくと酵母が膨らみ始める。
まだコンブチャの匂いが強い。
〈3日目〉
ここで小麦粉を追加する。
だいぶコンブチャの匂いが弱くなってきた。
〈5日目〉
トロトロの液状になり、再びぶくぶくと膨らみ始める。
酸味のある匂いはするものの、小麦の香りも感じられるようになる。
ここまで酵母が育てばパンを作ることができます。コンブチャ菌の特性上、酸味が強いため「サワードウブレッド(sourdough bread)」を作るのに適した酵母となります。

サワードウブレッド(sourdough bread)とは、乳酸菌を多く含んだ酵母で作るパンのことです。
独特な酸味と風味がクセになる美味しさです♪
サンフランシスコでは、このパンをくり抜いてクラムチャウダーを入れて食べるのがポピュラーです。


参考にしたサワードウブレッドのレシピはこちらです。
コンブチャ酵母を使ったパンケーキレシピも載ってます♪
Kombucha Sourdough Bread and Pancakes Recipes
酵母ができたら居ても立ってもいられず、早速サワードウブレッドを作りました!イーストで作ったパンとと比べるとずっしりとしたパンに仕上がりましたが、キメの細かいパンに仕上がり満足です♪

酸味の強いパンなので、チーズやシチューとの相性は抜群です!日本のパン屋さんではなかなかお目にかかれないパンなので、パン好きのあなたにはぜひ試してもらいたい美味しさです。
※ここからは後日談です!(2020年6月追記)
想像したよりも生地が膨らまずずっしりとしたパンに仕上がって、主人と私はどうも納得がいかず、気温も上がった6月に再トライしました。
パン種は前回と全く同じレシピで作りましたが、室温が平均25℃に上がったということもあってか、イーストの元気が全然違いました!うっかりしていると、瓶からパン種が溢れ出してしまったほどです。
パン種もできあがり前回と同じ分量で生地をこねて、一次発酵で6時間程度、成形してから二次発酵を10時間取りました。
そこから前回と同じ焼き時間で焼いたところ、明らかに前回よりもフワッとしたパンに仕上がりました。
さらに、サワードウブレッド特有の酸味も増して、より本格的な仕上がりになりました。シチューと一緒に食べたら最高でした♪


コンブチャ がなくてもサワードウブレッドは作れます!
サワーブレッドの酵母(スターター)の作り方はこちらを参考にしてください。
Allrecipes – Sourdough Starter
今回は、パン酵母についてとコンブチャから作る天然酵母について紹介しました。
飲んでも良し!食べても良し!腸内環境良し!といいことだらけのコンブチャ、物は試しにぜひチャレンジしてみてください♪甘酸っぱいドリンクとしても夏にはぴったりです。
皆さんのオリジナルフレーバーもぜひ作ってみてください!
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