10日間かけて作るパン!?
みなさんはパン作りにチャレンジしたことはありますか?先日、義母から素敵な名前のパンの存在を教えてもらいました。
それが、 “フレンドシップ・ブレッド” です。
アメリカ中西部やカナダに住むアーミッシュという人たちが先祖代々作ってきた秘伝のパンだそうです。名前の通り“友情”で広がっていったレシピということで、素敵すぎるその名前に私の興味は掻き立てられました。
インターネットで調べてみると、現代風にアレンジされたレシピをたくさん見つけたので、早速挑戦してみました。
ということで、今回は初めて挑戦したフレンドシップ・ブレッド作りの様子を紹介します。時間はかかりますが、日本ではなかなか食べることのできない珍しい食べ物です。
興味がある人はぜひ挑戦してみてください♪
目次
アーミッシュという暮らし方
まずは、このパンを作り出したアーミッシュという人たちについて少しお話します。
アーミッシュはカトリックの教えに従い、近代技術を抑制したライフスタイルを現代も貫いている人々です。 オンタリオ州を中心に現在20万人以上のアーミッシュがアメリカに在住しており、今も年々増加傾向にあると言われています。
(中略)
共通するルールは現代文明から距離を置く、という事です。 アーミッシュ全体に大体共通している、興味深い生活のルールをご紹介します。
・ 自動車を運転したり、所有してはならない (中略)
・ 電気を家にひいてはならない (中略)
・ 電話を家にひいてはならない (中略)
・ 派手な服を着てはならない (中略)
他にも、喧嘩、読書、離婚、飲酒など禁止されている行為があります。
(中略)
アーミッシュは元々ヨーロッパからの移民で、ドイツ・スイス系の種族です。 (中略)カトリック教会等から迫害を受けてドイツからアメリカに移り住んだ人たちです。 アメリカに移民した際に、高度成長するアメリカ経済を見て、聖書のある言葉「質素に暮らすべきである」という教えを守ることを便利な暮らしよりも優先したのが根本にあります。
簡単に言ってしまうと、近代文明(電気・自動車・通信機器など)に極力頼らずに、移民当時の生活様式を守っている人たちのことです。
アメリカ中西部を訪れたことのある人なら見かけたことがあるかもしれませんが、上の写真のような馬車がハイウェイの脇を走っていたり、クラシカルな格好をした家族を街で突然見かけたりします。
初めて見た時は私もとても驚きましたが、アメリカではよく認知されている存在で、アーミッシュの人たち専用のIDカードや道路標識が作られるなど、国にも認められた人たちなのです。
日本語の関連書籍もたくさん出ていますので、興味がある人はぜひご覧ください。
友達伝いでひろがったフレンドシップ・ブレッド
では、本題のフレンドシップ・ブレッドについて紹介します。
フレンドシップ・ブレッドの名前の由来は、スターター(Starter)と呼ばれるイースト菌を含んだ液体を増やしてお裾分けし、もらった友達もまた増やしてお裾分けをして…、を繰り返して広がっていったレシピにあります。
今でもアメリカ中西部には、このスターター(Starter)とレシピをセットで友達にプレゼントしている人もいるそうです。つまり、運が良ければ移民時代の菌とレシピを手に入れるチャンスが今でもあるということなんです!
なんだかロマンチックですよね。
ただ、こんなチャンスを待っていてはいつになったら作れるかわからないので…、ネットで見つけたスターター(Starter)のレシピを試してみました。
私が参考にしたレシピはこちらです。
Crazy for Crust – Amish Friendship Bread
スターターとフレンドシップ・ブレッドのレシピの両方が解説されています。
まず、大前提としてパンその物を作るのに10日間かかるわけではなく、イースト菌を培養するのに10日間かかるのです。
10日間のスケジュールはこんな感じです♪
1日目 ;お湯で溶かしたドライイーストと牛乳・砂糖・小麦粉を混ぜる。
2〜4日目 ;1日1回液をかき混ぜて酸素を行き渡らせる。
5日目 ;イーストにエサをあげる。(牛乳・砂糖・小麦粉)
6〜9日目 ;1日1回液をかき混ぜて酸素を行き渡らせる。
10日目 ;最後のエサをあげて、保管用・調理用などに分けて、パンを作る。
最初から途中で牛乳・砂糖・小麦粉を足すことを考慮して、大きめの容器に入れておくことをオススメします…。
私は何も考えずに初めてしまったので、5日目で容器を変えるはめになってしまいました。
ついに10日経つと、最後の “エサやり” になります。
そのあとは、
・パンに使う分
・自宅で増やす分
・お友達にあげる分
・冷凍保存しておく分 …等に小分けします。
ちなみに、自宅で増やす分は12日目にちゃんと復活してくれました♪
1日1回にかき混ぜることと、5日に一度のエサやりを忘れなければ、当分の間は増え続けてくれます。
何度か培養を繰り返していくうちに雑菌が入ったり、菌が弱くなってきてしまった場合に、冷凍保存しておいたスターターを使いましょう♪
スターターを作り始めて10日経ち、ようやくパンが作れるようになりました‼︎
結論からいうと、パンとパウンドケーキの中間のような食感でした。
ドラーフルーツやチョコチップ、ナッツをお好みで入れることもあり、皆さんが想像するパンよりもだいぶ甘みが強い味で、朝食はもちろんおやつにも美味しく食べられました。
主人の提案で、軽くトーストしてからバターとクリームチーズを塗ってみたら…、ばっちりの組み合わせだったのでオススメです。
今回は、初めてフレンドシップ・ブレッドを作ってみました。
想像以上に美味しくできたので、次回作った時は「レシピ + スターター + ブレッド」をセットでお友達にプレゼントしたいと思います♪
時間はかかりますが、決して難しい作業はありません!ぜひ皆さんも “移民時代の味” をご自宅で試してみてください。