はんぺんを使って手軽に簡単にハンドメイド
クリスマスが終わり、日本ではすぐにお正月の準備が始まりますよね。この時期になると思い出すのが、祖母の家での“おせち料理作り”の光景です。
毎年12月30日になると父方の祖母の家に家族で泊まりに行き、父と弟は水周りの大掃除と門松設置を、祖母と母、そして私はおせち作りに取り掛かります。
リーダーとなる祖母は主に煮物を作る「煮方」となり、母は野菜をひたすら切る係、そして私は“ブリの照り焼き”や“伊達巻き”などを作る「焼方」と、担当が決まっていました。
テレビで年末特別番組を流しながら3人で黙々と作業をするおせち作りのシーンは、私が小学生の頃から結婚するまで約20年続く我が家の恒例行事でした。
一度我が家以外のおせち料理を食べてみたくて伊達巻きをお店で購入してみましたが、やはり甘みが強すぎて我が家の味が恋しくなったのを今でも覚えています。
今回は、私が祖母から教わり毎年作り続けている伊達巻きのレシピを紹介します。
本来なら白身魚のすり身を使いますが、このレシピははんぺんで代用しているお手軽レシピです♪
卵焼きを作る感覚で簡単に作ることができますので、是非お試しください。
まずは、伊達巻きについて少しだけお話しさせてください。
渦巻き模様のふわふわとした黄色の伊達巻は、見た目も華やかでかわいらしくホッとする甘さのおせちの定番料理です。
関東では、砂糖をたっぷりと使いしっかりとした甘さが特徴の伊達巻ですが、関西では、飽きずに食べられるように魚のうまみを生かした甘さ控えめな味付けが好まれます。
伊達巻とは、長崎の卓袱(しっぽく)料理(中国と西洋の料理が日本人好みにアレンジされた料理)の「カステラかまぼこ」が、江戸時代に「伊達者(だてしゃ)」と呼ばれた、お洒落な若者たちの着物の柄に似ていたことから名付けられた料理です。
巻物のような形が当時の書物を連想させるので、「知性」の象徴として考えられ「学業が成就しますように」と願いを込めて食されます。
おせち料理には一品一品に意味がありますが、伊達巻きには「知性」「学業成就」の他にも、「華やかさ」や「子孫繁栄」の意味もあるようです。
色々調べて納得しましたが、我が家のルーツは西日本にあるので、祖母の伊達巻きも甘さ控えめだったのですね。
どうりで東京で買った伊達巻きが私には甘すぎだ訳です。
伊達巻きに限らず、おせち料理は全国各地によって全く味付けが異なるので、これから紹介するレシピをあなたのお好みの味に進化させてください!
〈 材料 〉※1本分(長さ20cm程度)
卵 ; 4個
はんぺん ; 1枚
むき海老 ; 70g程度(大3匹)
顆粒だしの素 ; 大さじ1/2
醤油 ; 大さじ1/2
日本酒 ; 大さじ1
砂糖 ;大さじ2と1/2
みりん ; 大さじ1
⑴ はんぺん・エビを細かく刻んでおく。
まずは、はんぺん・エビを細かく刻んでおきます。
我が家はフードプロセサーがないのでミキサーでこの後材料を混ぜ合わせますが、フードプロセッサーを使う場合は多少材料が大きくても問題ありません。
逆に、機械を使わずこし器を使う場合は、特にエビはみじん切り・すり身に近い状態まで包丁で刻みましょう。
⑵ 材料を全て滑らかになるまで混ぜ合わせる。
フードプロセッサーやミキサーを使う場合は、材料・調味料を全て入れて、クリーム状に滑らかになるまで混ぜ合わせます。
こし器の場合は、調味料と卵を先に混ぜ合わせたところに、滑らかにしたはんぺんとエビをよく混ぜ合わせます。
機械を使う場合は、必ず「弱(LOW)」で時間をかけて混ぜ合わせてください。その方が、出来上がった時の舌触りが良くなります。
混ぜ合わせた生地をさらにこし器でこすとより仕上がりが滑らかになります。
⑶ 角形のフライパンをよく温め、油を全体に塗る。
油を塗る際には、必ず立ち上がり部分まで全体的に塗ります。そうすることで、後でひっくり返す時に生地が剥がれやすくなります。火加減は中火程度です。
もちろん従来の丸型フライパンでも作れますが、巻いた時に太さが均等になりません。
あれば小さくても角形のフライパンで焼くことをおすすめします。
⑷ 生地をフライパンに流し込み、両面をしっかりと焼く。
フライパンに生地を流し込んだら、必ず蓋(ない場合はアルミホイル)を被せます。
7〜8分程度焼くと、生地がふっくら膨らんできます。
全体的に表面が乾いてきて、生地が膨らみ、裏面に焦げ目がついたらひっくり返します。
写真のように、加熱機器が電磁調理器やIHだと焦げ目にムラが出てしまいますが、全く気にする必要はありません。
巻いてしまうとあまり気にならないです。
⑸ ひっくり返した面にも焦げ目がついたら、巻き簀(す)に上げて巻く。
ひっくり返した面にも焦げ目がついたら、十分に中まで火が通っています。そうすると、次は肝心の巻き作業です。生地を焼いている間に、巻き簀(す)と輪ゴムを3本用意しておきます。
そうしたら、生地を巻き簀(す)の上に “最初に焼き付けた面を下にして” 置きます。
最初に焼いた面の方が滑らかな焼き目になることが多いので、そちらの面が外側になるように巻きましょう。
生地が冷めないうちに手早く巻いていきます。巻き方は、下の動画がとてもわかりやすいです。
海苔巻きなどと同じような感覚で巻きます。ふんわりとした食感が伊達巻きの要ですが、巻く時の力加減が弱すぎても後で形が崩れてしまいます。なので、ある程度ぎゅっぎゅっと力を込めて巻いていきましょう。
巻き終えたら、端と中央の3箇所を輪ゴムで止めて、深さのあるお皿の上に置いて、全面が均等に冷めるように常温に置いておきます。
⑹ しっかりと冷めたら、お好みの厚さにカットして完成。
しっかりと冷めたら輪ゴムと巻き簀(す)を外してお好みの厚さにカットします。ご覧の通り、今回は電磁調理器で焼いたため焦げ目のムラがひどいですが、切ってしまうと案外目立ちません。
今年は、海外在住の日本人妻 “あるある” のおせち料理交換会に参加するため、大量の伊達巻きを焼きました。
ママ友たちのお口に合うか少し心配ですが…、おせち料理の材料がなかなか揃わないアメリカの片田舎では、このイベントはとても助かります。
伊達巻きはおせち料理の中でも材料が手に入りやすく、時間がかからず作れます。冷めても美味しいので、お弁当の一品にも使えます。
是非みなさん試してみてください♪
「小さい頃から作り続けている”おばあちゃん直伝の伊達巻き”。」に2件のコメントがあります