リッチな風味の“発酵バター”をハンドメイド
ここ数年、日本では高級食パンが大ブームですよね。私も時間と元気があれば、食パン一斤のために行列にも並びます。
高級食パンと相性抜群なのが “発酵バター” !ホテルやレストランで出てくる、あの少し柔らかくて白っぽいバターです。
「発酵バター」の歴史
バターはヨーロッパが発祥。その歴史は古く、なんと紀元前から利用されていたという文献も残っているようです。古来のバターは技術が未熟だったため、自然と発酵が進んでしまうことも。そんな歴史があって、ヨーロッパのバターは「発酵バター」が主流となって広まったんですね。
一方、日本はバターをはじめ乳製品の歴史はまだまだ浅い。4〜6世紀ころに中国から入ってきたのが最初とされていますが、普及したのはもっと後。13〜14世紀頃と言われています。その頃には技術も発達して、発酵させないバターが作られていました。日本にはその「非発酵バター」が輸入され、そのまま定着して広まったようです。
国内外様々なブランドの発酵バターがありますが、私のお気に入りはやっぱりECHIRE(エシレ)の発酵バターです♪
でもこのエシレバター、日本で買う場合と同様にアメリカでもなかなかのお値段がします。ということで、今回はおうちで簡単に作れる発酵バターの作り方を紹介します。
色々なサイトではヨーグルトメーカーを使ったレシピが公開されていますが、今回紹介するレシピでは不要です!炊飯器か土鍋、あとハンドミキサーがあればご自宅で簡単にリッチな風味の発酵バターを作ることができちゃいます♪
バターを作るときに一緒にできるホエーを使ったレシピも合わせて紹介します。ぜひあなたもホテルの味をご自宅で試してみてください。
では早速材料から紹介します。
〈 材料・必要な道具 〉
・生クリーム(植物性や低脂肪ではないもの);400cc
・ヨーグルト(無糖);大さじ2
・食塩;小さじ1
・ボウル
・ジップ付き保存袋
・炊飯器か土鍋
・ハンドミキサー
⑴ 生クリームとヨーグルトを保存袋に入れてよく混ぜる。
ジップ付き保存袋に生クリームとヨーグルトを入れて口を閉め、手でよく揉んで混ぜ合わせます。ポイントはヨーグルトが塊にならないようにすることです。
この時点で生クリームとヨーグルトが均等に混ざっていないと発酵にムラが出てしまいます。
⑵ 保存袋をお湯を張った土鍋に入れて放置する。
⑴ で混ぜ合わせた保存袋を60℃のお湯を張った土鍋に入れて蓋をします。さらにバスタオルを巻いて保温性を高め、このまま6時間程放置し発酵させます。
時間が経って、クリームから “ほのかなヨーグルトの香り”がすれば成功です♪土鍋がない場合は炊飯器でも発酵させることができます!炊飯器で発酵させる場合は、釜の中に40℃のお湯を張って保存袋を入れて、「保温」にしたまま6時間程度放置します。
どちらの方法でも試しましたが、結果はほぼ同じ仕上がりになりました。ヨーグルトメーカーがあるお家は少ないと思いますので、ぜひ土鍋や炊飯器を活用してください♪
⑶ ⑵の保存袋を一晩冷蔵庫で寝かせる。
6時間放置した直後は一見何も変わっていないように感じるかもしれませんが、冷蔵庫で一晩寝かせると写真のようにとろみが出て重いクリームになります。この時点でぜひ少しぺろっと舐めてみてください。
ヨーグルトほどではありませんが、少し酸味が感じられるはずです。
この時点のクリームが一般的に市販されている “サワークリーム” です。パンに塗ったりシチューにトッピングしたりすると美味しいです。
この出来上がった “サワークリーム” に食塩を加えます。この後ハンドミキサーで攪拌するので、この時点では混ぜなくてもOKです。
⑷ ⑶のサワークリームをひたすらハンドミキサーで混ぜる。
サワークリームを大きめのボウルに入れてハンドミキサーでかき混ぜます。私の場合は「中〜強」のスピードでかき混ぜていきました。
写真1 かき混ぜ開始!
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写真2 緩いホイップクリームになる
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写真3 クリームに「角」が立ち始める
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写真4 かなり固めのホイップクリームになる
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写真5 だんだん「モロモロ」と分離し始める
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写真6 油分と水分に分かれてきて、シャバシャバになってくる
しっかりとクリームが油分と水分に分離して、少しボウルを傾けると黄色っぽい液体が見えたらかき混ぜ完了です。
⑸ コーヒーフィルターなどで水分を絞り出して完成。
コーヒーフィルターや手ぬぐいで水分を濾し取っていきます。必ずギューと絞って水分を完全に取り除きましょう。フィルターに残った個体が “発酵バター” です!!
ここで注意です!
搾り取った水分を捨てないでください!
バターを抽出した残りの液体が “ホエー(ホエイ)” です。
ホエー(乳清)とは、乳から乳脂肪やカゼイン(乳たんぱく質の一種)を取り除いた液体のことである。白く濁った半透明の見た目をしており、酸味のきいた味が特徴だ。
(中略)
乳(牛乳)から乳脂肪分とカゼインを取り除いて作られるホエーには、良質なたんぱく質(ホエーたんぱく質)、ビタミン、ミネラルが含まれていることが知られている。
実は、水切りヨーグルトを作る時にでる液体こそがホエー(ホエイ)なのです!
栄養満点のホエー(ホエイ)を我が家ではクレープ作りに使っています。
〈 材料 〉
・ホエー(ホエイ)+ 牛乳 ;500cc (全てホエーでもOK)
・卵 ;1個
・塩 ;小さじ1/4
・砂糖 :小さじ1
・重曹(ベーキングソーダ);小さじ1/2
・薄力粉 ;1・1/4カップ
・サラダオイル ;1/4カップ
全ての材料を混ぜ合わせて濾し器などで漉してから、薄く油を塗ったフライパンで両面を焼いて完成。
いかがでしたか?想像していたよりも簡単でしたよね?発酵バターは風味も豊かで栄養価も高いので、毎日の朝食などのお供にぴったりです。
我が家は発酵バターを作り始めてからというもの、もう普通のバターをパンに塗ることはなくなりました。買うと高い発酵バターも、お家で作ればローコストでたくさん作ることができます。
ぜひあなたも試してみてください。
この手作り発酵バターではどのくらいのバターが出来ますか?