空き缶をプランターに変身させる
自宅で過ごす時間が増え、皆さんパンを焼いたり断捨離したりと充実したおうち時間をお過ごしのことでしょう。
こちらアメリカでは、パンやお菓子を作るベーキングセラピー(baking therapy)と並んで園芸セラピー(horticultural therapy)という言葉を耳にします。
自宅で草花を植えて日々水やりをして成長を見守ることで、心の健康を保つ効果を得られるというものです。確かに、気持ちが不安になると何かを育てたくなりますよね。
我が家では元々、ミョウガやトマト、ハーブ類を狭いテラスで育てていましたが、季節柄スーパーマーケットに様々な苗が陳列され始め、種類を増やしたくなってしまいました。
そこで、以前からやりたかった空き缶を利用したプランター作りをすることにしました。
せっかくなのでお気に入りの物を作りたい!ということで、我が家のインテリアに馴染むようにエイジング塗装を施しました。
今回は、空き缶にエイジング塗装を施してプランターに変身させた様子を紹介します。
エイジング塗装は一見難しそうですが、コツやポイントを掴んでしまえば家具などにも応用できます。空き缶などの小さい物で練習してから家具塗装にチャレンジしてもいいですね♪
あくまで私の自己流ですが…、簡単なのでDIY好きなあなたは一度お試しください。
色のバリエーションは∞無限大!
重ね塗りで風合いを出すエイジング塗装
塗装というと準備が面倒というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、インテリア小物なら机の上をちょっと養生すればできてしまいます。
では、早速材料や必要な道具について紹介します。
〈 必要な材料や道具 〉
・空き缶
・除光液(シール剥がし液)
・塗装用ハケ
・紙やすり(細〜中の目のもの)
・プライマー塗料(スプレータイプでもOK)
・仕上げ塗料(扱いやすい水性塗料がオススメ、アクリル絵具でもOK)
※あると便利なもの
・アルミホイル(くしゃくしゃにしたもの)
・プリンター対応水転写シート(文字やイラストを入れたい場合)
・インスタントコーヒー(上の写真にはありませんが…)
私の場合は、プライマーは色付きのスプレータイプを使い、塗料は扱いやすいミルクペイントを使っています。
⑴ 除光液などを使い、缶についている接着剤などを拭き取る。
まずは、洗った空き缶についている接着剤などを除光液やシール剥がし液を使って拭き取ります。ただし、この時に拭き取ってもとれない分は無理にこそげ落とす必要はありません。
上から塗装をかけると、いい感じの凹凸になります。
⑵ プライマーを外側全体に塗る。(下塗り)
次に空き缶の外側全体にプライマーを塗ります。このような最初の塗装工程のことを “下塗り” と呼びます。プライマーとは、下地(空き缶)と塗料を接着するための下塗り材のことです。
プライマーとは、英語のprimary(最初の)が語源ですので、「最初に塗る塗料」として、主に下塗り塗料を総称してプライマーと呼びます。
(中略)
プライマーの役割は、主に以下の3つで、一言でいうと結合力を補強する役割と言えます。
・接着剤と表面との密着性を高める
・表面を密にして接着剤が付きやすくする
・被着材同士のなじみをよくさせる
プライマーは必ず “色付き” のタイプを使いましょう。
色付きを塗ることで塗り漏れがなくなります。
⑶ プライマーを塗った上から塗料を塗る。(中塗り)
プライマーを塗った上から今度は塗料で色付けします。下塗りの次に塗る工程を “中塗り” と呼びます。あくまでこの時に塗る色は仕上がりの色ではありません!
このあと紙やすりをあてて所々にキズをつけるのですが、その時に少しだけ見えてくる色です。仕上がりの色との差が分かるような色を選びましょう。
仕上がり(上塗り)色と中塗りの色を選ぶ時のポイントは、濃さに違いがあって一緒に並んでも違和感のない色にすることです。
⑷ 中塗りが十分乾いてからもう一度塗料を塗る。(上塗り)
中塗りの塗料が完全に乾いてから、違う色の塗料を塗ります。仕上がり色の塗料を塗ることを “上塗り” といいます。
私の場合は、下のような組み合わせにしました。
① 中塗り=ブルー → 上塗り=グレー
② 中塗り=グレー → 上塗り=白
ここでちょっとしたポイントを紹介!
皆さん机で塗装をする時に新聞紙やチラシを敷いていませんか?新聞紙やチラシなどの薄い紙だと塗料が固まって缶に紙が貼り付いてしまう場合があります。
作業台の上に何かを敷く場合は、段ボールがオススメです!
乾かす時に他の場所にも運びやすいですし、垂れた塗料が固まっても缶に紙が破れて貼り付いてしまうことがありません。
⑸ 上塗りが完全に乾いてから、紙やすりで細かいキズをつける。
下塗り・中塗り・上塗りと塗装が終わったら、いよいよエイジング加工をしていきます。エイジング加工にも色々ありますが、今回は手軽に誰でもできる簡単な方法を紹介します。
まずは紙やすりで優しく表面をこすり、使い込んだような細かい擦りキズを付けます。
紙やすりを使う以外にも、ハンマーなどで凹みをつけてもダメージ加工になります♪
⑹ サビ塗装や経年汚れを表現する。
よりリアルに仕上げるために、ここではサビ塗装と経年汚れをつける方法を紹介します。
〈 サビ塗装の付け方 〉
① くしゃくしゃに丸めたアルミホイル(もしくはしっかり乾いた筆先)にサビ色の塗料を少量付ける。
② 段ボールに塗料がかすれるまでアルミホイル(筆先)をトントンと叩く。
③ 付けた塗料がしっかりとかすれてきたら、缶の縁や紙やすりで深くキズがついたところなど “錆びやすそうな部分” に塗料をすこしずつのせていく。
塗料シリーズによっては “サビ色” という色も売っています。
こういった塗料を使ってもいいですし、黄土色や海老茶色を使っても雰囲気がでます。
〈 経年汚れの付け方 〉
① インスタントコーヒーを濃いめに水に溶かす。(コーヒー:水=1:1程度)
② キッチンペーパーに①を染み込ませ、缶の全体にポンポンと叩くように色を付けていく。
③ ②の上から乾いたキッチンペーパーで同じようにポンポンと叩くように余計な水分を拭き取る。
コーヒーでの経年汚れ付けはもちろん水で流れてしまいます。
水で濡れてしまう可能性がある場合は、ツヤなし(マット)のクリア塗料をさらに上から塗りましょう!
※個人的には、水垂れの跡が残るのも素敵かなと思います。
仕上がりはそれぞれこんな感じになります♪
ついでに100円ショップ($1.00ショップ)で買ったジョーロとプランターも塗装しました。プランターは、中塗り=白 → 半乾きの状態で上塗り=ライトグレーを塗り、全体的に紙やすりを当てて、セメント調に仕上げました。
⑺ 缶底に小石を入れる。
エイジング塗装まで済んだら、いよいよ植物を入れていきます。そのまま土を入れてしまうと、根腐れしてしまいます。それを防ぐために “鉢底石” を底から2〜3cm程度入れておきましょう。
園芸用の鉢底石は100円ショップでも購入できますが、なければできるだけゴツゴツした小石を入れましょう。
⑻ 好きな植物を土ごと入れて完成♪
小石を入れてから、苗などを土ごと入れます。15oz(425g)缶を使った場合だと、育苗ポット一個分の土がちょうど入り切ります。あとは十分にお水をあげて完成です!
少量の土で小さいプランターでも育てやすいものはハーブやピーマン・唐辛子などの野菜です。
その他、ルッコラなども育てやすいと言われています。
詳しくは、ポタジェ(プチ菜園)について詳しく書かれたこちらのサイトがオススメです。
アース製薬 – アースガーデン – 小さなスペースで野菜を育てよう。
いかがでしたでしょうか?
今回は、空き缶2つとジョーロ、市販のプランターを塗装しましたが、使った塗料はたった4種類だけです。
「中塗りと上塗りの組み合わせ」と「エイジング加工の方法」によって、色々な風合いに仕上げることができます。ついつい色々塗料や道具を揃えたくなってしまいますが、少しの材料でもパターンは∞無限大です。
今回はシンプルに仕上げたかったので使いませんでしたが、水転写シートで文字やイラストをいれるとよりリアルになります。また、二色を塗りわけてもシックな仕上がりになります。
こんな素敵な作品を見てしまうと、私のスキルはまだまだだなーーーという気持ちになってしまいます…。でも、今回紹介した簡単な基本の方法をマスターすれば、あとはあなたのセンス次第でただの空き缶が素敵に大変身します♪
そんなエイジング加工修行中の私がいつも参考にしているのがこちらの書籍です。
色褪せて古びた雰囲気のブロカント雑貨を、空き缶や牛乳パックなど身の回りの物で作る方法がたくさん紹介されている一冊です♪フレンチスタイルのインテリアがお好きなあなたには特にオススメです。
清潔感のあるすっきりした小物も好きですが、シャビーでどこか懐かしさを感じるエイジング雑貨は私のお気に入りです。
DIYがあまり得意でない…細かい作業は苦手…、そんなあなたでもエイジング塗装はできてしまいます。
身の回りの雑貨をオリジナル雑貨にリメイクしたり、汚れたり傷がついてしまった家具をアンティーク調に変身させたりなど、エイジング加工には可能性がたくさんです。
ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。